天衣無縫(てんいむほう)
「天衣無縫」は中国の故事が元になっています。天から舞い降りてきた美女(仙女)と親しくなった青年は、彼女の衣服に縫い目がないことに気づきます。尋ねてみると「着る人間の体に合わせて布が自然に衣服となるから縫い目はない」と仙女は答えます。天衣に縫い目がなく、人工的な跡がないところから、文章や詩歌などに手を加えた跡がなく、自然で美しくかつ完全である様子をあらわします。現在では人柄にも用いられ、「ありのままで飾り気のない人」として、天真爛漫(てんしんらんまん)と同じような意味に使われます。
このコーナーではきものにまつわる雑学をご紹介していきます。きものから生まれたことわざや習慣は身のまわりにたくさん。その意味を知り、ルーツをたどることで、きものがより身近な存在になるのでは?