悉皆(しっかい)
今では「ひとつ残らず、ことごとく」を意味する悉皆とは、もともときものに関する相談を受ける専門家のことでした。きものを愛する人たちに少しでも長く大切に着てほしいとの願いから生まれ、丸洗い、シミ抜き、洗い張り、かけはぎ、染め替え、刺繍直し、仕立て直しなど、きものにまつわるお手入れ全般を手がけていました。京都で「京染悉皆」という文字を見かけることもありますが、今では「きものクリニック」などの名前に変わっているところが多いです。修復だけではなく、サイズに合ったきものを染めたり、古いきものから小物を作るリフォームなどを引き受けてくれる場合もあります。
このコーナーではきものにまつわる雑学をご紹介していきます。きものから生まれたことわざや習慣は身のまわりにたくさん。その意味を知り、ルーツをたどることで、きものがより身近な存在になるのでは?