ない袖は振れぬ
江戸時代、「袖を振る」ことは求愛のサインでした。相手に袖を振って見せ、袖を振り返してもらえると、それはOKのしるし。未婚女性が振袖を着たのは、袖を振るためだったのです。
ない袖は振れぬというのは、振りたくても袖がなければどうしようもないということで、いい返事をしたくても先立つもの(袖)がなければその気があっても無理(振れない)ということでした。そこから転じて、お金を貸したくても財力がなければ貸せないということを意味するようになりました。
このコーナーではきものにまつわる雑学をご紹介していきます。きものから生まれたことわざや習慣は身のまわりにたくさん。その意味を知り、ルーツをたどることで、きものがより身近な存在になるのでは?